『!マークじゃ足りない感情』
今はお盆の期間だ。
ご先祖さまや亡くなった家族が帰ってくるとはよく聞く。
よく聞くけれど...
「やっ!また会えたね!」
つい先月亡くなったいとこが
こっちに帰ってくるなんて誰が予想しただろう。
それも俺にしか見えてない。
「いやーお盆って本当に帰って来れるんだね。
なんでかこっちだけど(笑)」
そう言っていとこはまるで生きてるかのように陽気に話す。
こっちは聞きたいことが山ほどあるって言うのに...
「とりあえずお母さんたちに...」
「言っても信じてくれないでしょ(笑)このままでいいよ。」
いとこはそう言って俺の周りをぐるぐると回る。
いやほんとに聞きたいことがあるんだ。
俺のお父さんがいとこのお母さんとデキてたこととか
今も俺の両親がそれについてこっそり喧嘩してることとか...
いとこがこっちに帰ってきたことで
全ての疑問が確信に変わった気がした。
外は入道雲が低い声で唸っている。
もうすぐ嵐が来そうだ。
いとこが嵐に飛ばされないか心配だ。
語り部シルヴァ
8/15/2025, 10:46:14 AM