みの

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「はぁ、もうこんな時間...また」
ここ最近、どんどん眠れなくなってくる。
今日は、気晴らしにと静かな街を散歩した。
すると、後ろから肩を叩かれた。
後ろを見てみると、黒い帽子に執事のような服を着た男性が立っていた。
「な、なんですか」
すると、男性は言った。
「こんにちわ。知ってます?この先に遊園地があるの」
そんなことを聞かれたので少し動揺した。
けど、遊園地なんて子供の頃以来だったので少し興味を持った。
「遊園地が、あるんですか?」
男性は、ニッコリと笑うと小さく頷いた。
すると、男性は言った。
「どうです?行ってみますか」
行きたい気持ちは、あったけれど お金を持ってきていなかったので残念な気持ちになった。
そんなことを話すと、男性は自分が出すと言って僕の腕を掴んで連れてった。
そこは、とても美しい遊園地だった。
人が居ないからか、少し不気味に思えたけどそんな所も何だか惹き込まれるような不思議な遊園地だった。
そして、男性と観覧車、メリーゴーランド、お化け屋敷、ジェットコースターなど覚えていないくらいに楽しんだ。
何時間か経ったときのことだった。
眠気が出てきたのだ。
けど、もっと遊びたいという気持ちでいっぱいだった。
すると、そんな僕を見たのか男性はこういった。
「眠くなってきましたね。少し寝てもいいですよ」と
けど、その声は何だか悲しそうな声だった。
僕は、そんなことを思いながらも気持ち良く寝た。
「おやすみ拓也さん。また...最後か」
薄れた声だった。
次に、目が覚めると自分の部屋だった。
「いつの間に帰ったんだろう」と思いながらも朝の支度をした。
今、思うとその日はとってもよく眠れた。
仕事場に行くと、一つの話が耳入った。
「なあ、知ってるか」
「何だよ、」
「黒い帽子で執事のような服を着た男性って」
「嗚呼、知ってる。疲れを癒やしてくれる所に連れて行って行く夢の中の人だろ」
「何だよ、よく知ってるじゃないか。相手の思い出の場所に連れて行くやつ。」
そんな話を聞いた僕は、そうだったのか!とも思ったけれど噂話と一緒にされるとちょっと嫌だった。
僕は、自分だけの言葉で表したいと思った。

(フィクション) 真夜中

5/17/2023, 11:11:20 AM