憂愛

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手を伸ばせば触れられるのに、
薄い壁を1枚挟んで君を見るのが好きだった。

君が微笑んでいるのは僕じゃなくて、カメラ。
分かってはいても、心は微熱。

手を伸ばせば触れられる距離だから、
薄い膜を1枚挟んで君を見ていた。

精一杯の自制心。
君が気づかない、僕のブレーキ。

知らないままでいい。
知らないままがいい。

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9/9/2025, 3:05:49 PM