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放課後


「放課後デートがしたい」

馴染んだ制服を着こなしてそういう貴方は
世間の誰もが顔も名前も知る有名人で
対する私は下手すれば隣のクラスの人は私の存在すら知らないのでは?と思えるほどの一般人

「ダメだよ」

当時の私はそう言うしか無かった
あれから、10年の月日が目まぐるしく過ぎ去っていった
環境は当時では考えられない程に変わり
何がどう転べば今に行き着くのか
私の顔がそこら中にある時代になった

そう、私は貴方の隣に立てる存在になっていた

そして今、貴方は私をみてこう言った

「放課後デートみたいだね」

誰もが羨む美しい顔がくしゃりと皺を寄せ
私だけに呟かれた

「夢、叶ったね」

私達だけの小さくて大きな夢

10/12/2023, 11:34:26 AM