YOU

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「久しぶり。私のこと、覚えてる?」
地元のショッピングセンターで買い物をしていると、不意に声をかけられる。
「うん、覚えてるよ。久しぶりだね」
記憶の地図を辿らなくても、会うのが久しぶりでもすぐわかる。学生時代に片思いをしていた、僕の好きな人。
「ずっと地元にいるのに、なかなか知ってる人に会わないんだよね。不思議だよね」
にこにこ笑いながら、話す彼女。当時の想いが蘇る。
「良かったら今度、ゆっくり話さない?」
「ああ、うん」
連絡先を交換し、彼女と別れる。
彼女には深い意味はないのかもしれない。けれど、僕の心は、ドキドキワクワクが止まらないのだった。

6/17/2025, 9:38:58 AM