妄想昔話 1話 (狐の嫁入り2)
時は1459年(長禄3年)
いまの宮崎県にある小さな村の話
この村では
嫁入りは夕刻に行われ
提灯を持った人たちが列を連なり
嫁ぎ先に向かったそうです。
小さな村なので誰が結婚するか
みんな知っていましたが
誰も結婚する予定のない日なのに
行列の灯が見えることがありました。
そしてこの灯が見えるときは
雲一つない空なのに
突然雨が降るという不可解な現象が
起こったのです。
この灯を村の人々は
狐が嫁入りの最中に灯す
狐火によるもので
天津神が不吉なことが起こるのを
雨を降らせることで
お知らせになるのだと考えました。
"空泣き"だとか"狐の嫁入り"と言って
恐怖の対象として語り継がれていたのです。
村の一部の人間は
不吉な存在である狐を恐れ
いじめたり殺す者もおりました。
人間と狐族の関係は冷え切っていたのです。
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"空が泣く"
9/17/2023, 8:39:20 AM