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「君からのLINE」




_____ポコン_______ポコン、ポコン


数分前から急に鳴り始めた私の携帯。
それは家族や友人から送られてくるバースデーメッセージを表示していた。
日付が変わった瞬間に連絡をくれるのは去年とほぼ同じメンツで。
少し間を開けてから感謝の言葉とともに【こんな時間まで起きてるなんて暇なの?】なんて照れ隠しを添える。
こうして私のためにしてくれる相手がいることは凄く嬉しいしこの繋がりは大切にしなければならないと思うけれど。
でも、1番欲しい相手からの連絡だけがない。


「わかった、必ず日付が変わった瞬間に連絡する。だから他の連絡は見ずに待っていてほしい。」
私のわがままに対してそう言ってくれた昨年は本当に変わって数秒で連絡が来た。文はそれなりに長かったから事前に入力して待機してくれてたのかななんて、嬉しくて仕方なくて返事をする前に電話をかけたのをよく覚えている。


彼は記念日を自ら作るタイプではないけど、私が決めた日はどんなくだらないことでも覚えてくれているから誕生日を忘れたということは考えにくい。
もしかして寝てるのかな……まぁ普段はこんな時間まで起きてることないだろうしな……なんて自分に言い聞かせるように色々考えてから、自分ももう寝てしまおうと立ち上がる。
明日起きた頃には連絡が来てるかもしれないし、クリスマスプレゼントのように寝て起きたら届いているというのも悪くはないだろう。
そう思えば落ちかけていた気分もだいぶ持ち直したように感じる。


自分でご機嫌とれるようになったことに成長を感じていると

__ピンポーン

と、人が訪ねてきたことを知らせる音がなった。
こんな時間に誰だろうか、不審者……?と警戒しつつもドアの覗き窓をから外を覗いてみればそこには連絡を待っていた人がいた。
大慌てで鍵をあければ
「誕生日おめでとう。今年も無事に祝えてよかった。
だがこんな時間にすまないな。まだ寝てなかっただろうか」
なんて笑いかけてくれるから、彼からの連絡がなかったことはすっかり頭から飛んでしまっていた。


翌朝、そのまま家に泊まった彼になぜ連絡をくれなかったのか聞いたところ
「日付がかわったのがちょうど運転中だったんだ。横につけて連絡しようかとも思ったがそれに満足して寝られたら困るから、あえて連絡を入れなかった。悪いことをしたな」
とのことだった。ちなみに連絡せずに家に来た理由は私がなにげなく呟いた
「記念日とかのサプライズって憧れるなぁ」
という一言が聞こえていたかららしい。つまりはこれも私のわがままを叶えるためということだ。彼らしいと言えば彼らしいしとても嬉しいのだが、
「不安になるので連絡だけは入れて欲しい」
と言えば
「連絡を入れた状態でサプライズなんて出来るのか…?」
と悩み始めてしまった。私のわがままのせいであることは100も承知なのだが、なんとか叶えようとしてくれてるところをみれるのは嬉しいので少しばかりそのままにしておこうかと思う。


あぁそうだ、やっぱり君からの連絡は欲しいから後で送ってもらおうかな
別に時間ピッタリじゃなくたって、君から貰えるなら何時だろうと構わないから

9/15/2024, 3:59:59 PM