語り部シルヴァ

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『ひらり』

寒さが身に染みる。
結構な厚着をしたはずなのに
つま先まで冷えきっているのがわかる。
少し前まで寒さがマシになったと思えばこれだ。
レッグウォーマーでも履けば良かった...

暖かくなって、寒くなって、また暖かくなる。
きっとこの繰り返しをしているうちに寒さは消えていく。
赤くなっただろう鼻をズッとすする。

少し風も吹いてきた。
なんなら雪も静かに降ってきた。
まるで本格的な冬のようだ。

学校に急ごう。
早足で歩いているとひらりと舞う雪は私の鼻にピタリと
引っ付き静かに消えた。
きっと赤いから冷やしてくれたのだろう。
そんな冗談を思いつつ風情ある雪を押しのけて進み続けた。

語り部シルヴァ

3/3/2025, 10:32:24 AM