『夢の断片』
「お前は外へでてはいけないよ。悪い人間に食われてしまうから。」
お前の体は宝石で出来ている。
涙は真珠、血はルビー。肌は石英。瞳はサファイア。
ひとたび外へ出れば、金に目がない連中に捕まって痛めつけられてしまう。
「人間に、良いと悪いがあるの?貴方みたいな人しかいないと思っていたわ。」
純真で純粋なお前。
もしお前の石英の肌が壊れたら、出てくる心は水晶で出来ているのだろう。
「そうだよ。皆が私のような人間とは限らないんだ。」
「そうなのね。じゃあ、人がいない時に外に出てもいい?」
「ダメだ。人がいないなんてことは無いから。いつ、どこでお前を見つけるか分からないんだ。人間は小賢しいから。」
お前が連れ去られるなんて、考えたくもない。
そんなことになったら、私は……。
おじ様は、毎日同じ時間に外に出る。
私は外に出てはいけない、と言われるのに。
私の夢は、いつか外に出ること。
外に出て、おじ様を驚かせるの。
「今日も良いね?お前を食べさせるために必要なんだ。」
本当に?
「外に出てはいけないよ。人間は悪いやつだから。」
確かにそうね。
だって、おじ様は私の肌を割るのだもの。
私の血を抜いて、私のルビーを売りさばくの。
「私が気づいてないと思っていたの?」
私の夢は、いつか外に出ること。
外に出て、おじ様を驚かせるの。
「私は今日まで、お前を殺すために生きてきたのよ!」
そう言うために。
11/21/2025, 12:09:00 PM