『目が覚めるまでに』
規則正しい呼吸の音が室内へと満ちてゆく
カーテンの隙間から差し込む月明かりが照らす貴方の横顔
何処までも無防備な寝顔にどうしようもない程、感情が揺れ動く
私は貴方の事が好きだった
なのに貴方は突然私に別れを告げた
冗談であって欲しかった
夢であって欲しかった
けれど、これは現実だった
どうしようもなく、絶望的であったとしても
バッドエンドへの序曲、或いは都合のいい妄想の終末
これは私に残された最後のチャンスだ
暖かな幻想に溺れる哀れな愚者と成り下がるか、
はたまた冷たき現実を知った脱け殻と成り果てるか
或いはこのままひと夏の淡くも苦い記録と為るか
8/3/2023, 10:57:53 AM