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Theme:眠りにつく前に

それじゃあ次は私が話す番ですね。
私は都市伝説が好きなので「異世界に行く方法」の紹介と、それを実際に試したという知り合いの話をします。

皆さんは「異世界に行く方法」を知ってますか?
色んな方法が噂されていますが、今回お話しするのは「飽きた」という方法です。
やり方はいたって簡単です。

必要なものは紙とペン、それだけです。
まず、正方形の紙に六芒星を書きます。そして六芒星の真ん中に「飽きた」と書きます。赤いペンを使うと効果が上がるなんて噂もあります。
そして、その紙を枕の下に置いてそのまま眠ります。起きたときにその紙が消えていれば、そこは既に異世界だそうですよ。

これを試したのは私の後輩なんですが、彼は途中でこの儀式をやめてしまったそうです。
彼は眠りにつく前に、白い服を着た女性の姿を見たそうです。彼は恐怖で体がすくんで動けなかったと言います。
その女性は彼が横になっているベッドにゆっくりと近づくと、枕の下に手を入れようとしたそうです。女性の腕の動きが彼の頭を揺らしたとき、彼は体の自由を取り戻してとっさに女性の腕を振り払いました。女性はそのまま消えてしまい、彼女が立っていた位置に「飽きた」と書かれた紙がヒラヒラと落ちていきました。
この出来事ですっかり恐くなってしまった彼は、紙を燃やして朝まで眠れなかったそうです。

そこで彼は思ったそうです。
もし儀式が成功していたら、自分はどのような異世界に行ってしまうことになったのだろうと。あの女性は明らかに生きている人間ではなかった。もしかしたら、彼女は異世界への使者だったのかもしれない。ということは、自分が行くはずだった異世界はもしかしてこの世ではなかったのかもしれないと。

私は都市伝説は大好きですが、安易に実行しないことを強くおすすめします。
たかが噂話と思うかもしれませんが、そのなかに本当に禁忌に触れるものがあるかもしれない。まあ、それを想像するのも楽しいんですけどね。

では、次の方お願いします。
あ、面白い都市伝説を知っている方がいたら、百物語が終わったら教えてくださいね。

11/2/2023, 12:39:53 PM