惟新の角部屋

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暗くなってきたのでキャンドルに火を灯す。
手元だけがぼんやりと明るくなって、仄かな明るさが目に優しい。
最近の情報社会では得られない優しさが、ここにある。

手紙を書こうと、引き出しから手探りで便箋を取り出す。少し不便だが、しょうがない。

書き始めると、炎が少し揺れた。
窓からの隙間風だった。それを見て心は動き、筆は踊る。炎特有のこの揺れは、癒やしなのかもしれないが、私には震えているようにも見える。
自らを犠牲にしても、人に癒やしを与えるキャンドル、凄いではないか。
心が震えた。再び筆は動き出す。

11/19/2023, 3:27:37 PM