『I LOVE…』
「I LOVE──」
……いや待てよ
「愛して──」
……もう一捻り
「月が綺麗──」
……ありがちか?
……あれはどうだろう?
……これは?
……こんな感じか?
────
──
………これだっ!
──翌日の放課後──
「 一度でも究極の美を見てしまえば、それ以外のものは相対的に格下げされてしまうものです。
貴女と会ってしまった後ならば、かの有名な文豪……夏目漱石をもってしてもこのような言葉を紡ぐことになるでしょう」
「『月が……"干からびた鏡餅"のようですね!』」
「……何言ってんの?ごめん、私バカだから意味わかんないや」
「この後バイトあるからもう行くね、ちょっと忙しくて……じゃあまた明日!」
──ガラガラ
タッタッタッタ……
「…………」
「……I LOVE YOUって言っとけば良かった」
1/30/2023, 5:01:44 AM