『懐かしく思うこと』
私が、懐かしく思うこと。
小さい頃に住んでいたアパートの窓辺で揺れるカーテン。
暖かい光の中で、ふわりふわりと揺れている。
私はそれを、母の膝の上に寝転がりながら眺めていた。
保育園に行く前の、卵かけご飯。
水色の茶碗に盛られて、美味しそうにつやつやと光っている。
休日にただただ母と見ていた、テレビドラマ。
幼児だった私が内容を理解していたのかは分からないけど、いくつかのシーンだけは、いまでも鮮明に思い出せる。
父におんぶされているときの、体温と背中の感触。
力強く支えられているような感じで、温かかった。
今はもう重すぎて、おんぶできないけど。
こんな他愛ない、日常のワンシーンでも、今の私には輝いて見える。
いつも気を遣って、ちょっとしたことで死にたいと思ってしまうような私には。
痛いくらいに、懐かしい。
10/30/2024, 10:49:36 AM