『終わらない物語』
昔、じいさんから聞いた話しだ。
家の天井裏に巣食ったイタチを退治するには罠を仕掛けて一匹を生け捕りにする。その一匹を見せしめの為に庭で水に沈めるとイタチは最後の最後にありったけの声で鳴く。それは「この家は危険だ、早く去れ!」の合図なんだと。
最近、倉庫に置いたさつまいもがネズミにかじられている。そこで粘着式のネズミ取りを何枚か仕掛けたら今日そこに一匹のネズミが掛かってチュウチュウ鳴いていた。ところがネズミは体が半分罠から外に出ていて、逃れようと必死にもがいている。そうはさせるかと上からもう一枚ネズミ取りを被せ、更にその上に角材を乗せた。
「キュー!キュー!キュー!キュー!キュー!」
突然聞いたことも無い大声でネズミが鳴いた。
あ、これはもしかしてじいさんが言っていた危険合図の声なのか…?
翌日、またさつまいもがかじられた。
ネズミとの戦いはまだまだ続きそうだ。
1/26/2025, 8:19:33 AM