Ponnu

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お久しぶりです。
「I love」を書こうとしたら、何かテーマと違うものが完成したけど、これはこれでいいかもと思ったので投稿します。


「テレパシー」

心が読めているのか、と思う時がある。

仲良くなりたいな、と思っていたら、突然「友達になろう」って言ってきたり。
私が何度お願いしても君は一緒に行かないって言っていたけど、本当は後ろから私のことを見守っていたり。
私が泣いていたはずなのに、いつの間にか君の方がもっとたくさん泣いちゃって。
登校中に君を驚かせようと静かに近づいていたはずなのに、君が急に振り返ったせいで逆に私が驚いたこともあったね。

でも、一番心に残っているのは。
ぎゅーっと温かく抱きしめてくれたあの時。
いつも通り「おはよう」って言えたつもりだったのに。
泣かないって決めていたのに。
君を見たら今まであったことが全部溢れて。
全部、涙に変わったの。

どんな隠し事も君だけにすぐバレてしまう。
でも、1つだけ気づいていないことがある。

私から君への好意。

隠していないから君以外の周囲の人にはバレバレだというのに、君だけは気づかない。

本当は心が読めないのか。
隠さないと読めないのか。
それとも。
気づかないふりをしているのか。


「どうしたの?」
ふと君の声が私を呼び戻す。
そう、今は学校帰りだった。

「ううん、何でもない」
私は今を確かめるように君の手を軽く握った。

「えー、教えてよ。さっき魂抜けてたよ」と君がぎゅっと強く握り返す。




























「心が読める超能力者になりたい、とか」
どう?当たり?

私が何も答えないでいると、君は私の手を離して先を歩く。

「なーんてね」

6/12/2025, 2:36:39 PM