2人の過去のことはほんの少しだけ
有名な噂となって国々に知られている
とある国に訪れたある日
2人をことをやけ優しくもてなしてくれた
警戒と、戸惑いを隠しつつ
その国での日々を過ごしていると
妹がいつも以上に口数少なくぼんやりしていることに
どうしたのかと思う兄
こういう場合
別のことで気分を変えようと
何かしらの事を妹にする兄だが
今回に関しては
そっとしておくのが1番だ
それは妹に限らず兄にも言える
この国の人々の態度
2人にとって
そんなもの優しさでもなんでもない
ただの同情、哀れみのもので
分かってはいても
そうとしか受け止めきれない
いずれは
そういった気持ちの自分と向き合い
受け入れる日が訪れるように
密かに願う
[優しくしないで―2人きりの旅より―]
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ひづとひの
双子の男女
姉、ひの
弟、ひづ
2人はいつも夜に
家の隣にある離れの小屋から
夜空を見ながら話をすることが大好きだった
そしてこの2人は
育ての親に知らせていない秘密があった
赤ん坊の頃に
置き去りにされていたという2人
しかしそれは置き去りではなく
別の星から2人は自らやってきたのだった
赤ん坊と言うのは偽りの姿であり
本来は15歳くらいだ
小屋からの夜空は
元の星たちとの交流の時間でもある
あの星にはない
この星は本当に楽しい
離れるのはまだまだ考えていない
もっと大きくなったら
知らないことをもっと知って
あの星に持って帰るんだ
2人の夢は
とても広大である
[二人だけの秘密]
5/3/2024, 1:41:01 PM