Y隊員

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ハッピーエンド

グラグラと目の前の空間が揺れている。

「えっ?」

すれ違う人はスタスタ歩いていて私の危機には気がついていない。と、いうか見えていないみたい。

「揺れてる。何?」
辺りを見回す。
「ズレてる」

あそこは駅ビルだけど稲妻に打たれたみたいに空間がずれて隙間から違うものが見える。
「キモ」

ドクンと心臓がはねた気がした。
「ここはどこ?」

戻りたい。泣きたい気分だ。
電車も乗れなかった。
また面接ダメになった。

空間の境目にでもいるのか、揺れずにフワッとしている。地面どこ?

半泣きでビジネスバックのショルダーを握り締める。
掴まるところがこれしかない。何も役に立たないが
気持ちを集めることは出来た。

「お嬢さん。お手をどうぞ」
見た事ない制服みたいな銀色のジャンプスーツを着た男性が手を差し出しながら声をかけて来た。優しい口調。
「誰?ここはどこ?」
ビジネスバックを抱きしめて、いつでも殴って逃げる準備をする。

「勇ましいね。変な歪みがあるから来てみたら。」
手を引っ込めて、苦笑いしている。
「私、面接に遅れているの。もう、仕事がないのに!」
思わず睨んでいた。

「仕事?あぁ、そういう事?」
ニヤリと笑うと手首の時計みたいなものに触る。
3D画面みたいなものが浮いて来た。

「ようこそ時空警察へ。応募ありがとう。採用。行こうか?職場案内する。」

応募?これは夢?

「面接は今終わったから、研修行くから。早く」
動くのを辛抱強く待っている。
「仕事、決まったんだから、喜んでくれると嬉しいな」
ニコニコしている。

就職決まったらしい。



3/29/2026, 11:27:18 AM