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「はい、これ」

と、何でもないようにアイツから渡されたのは、一本の花。
濃い紫色の、これは何の花だろうか。

この花の理由を聞いたら、「この色、お前にぴったりだろ?」という、アイツらしい単純な答えが返ってきた。

とりあえず礼と共に受け取り、家で調べてみた。



花について調べると、必ずと言っていいほど花言葉に関する情報も目にする。

まあアイツは花言葉なんて気にしちゃいないだろうが、念のため、念のためと言い聞かせて調べた。


花言葉というのは複雑で、その花全体の花言葉もあれば、色や本数によっても違う花言葉がついてくる。


そういうとき、どれを取ればいいのか分からないが、もしこの花で、全体の花言葉を取るなら…








なんだか、満更でもない、むず痒いような気持ちが、芽吹いた。


【芽吹きのとき】

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モチーフとなった花はアネモネです。

3/1/2025, 11:10:52 AM