カーテン
薄い、本物のレース越しに黒髪が跳ねて、陽の光を増幅させるきらきらのぐっしゃり笑顔が飛び出すんだ。
朝方のまだ私しか起きていない時間に、偶々起きてしまったからと遊びをし出す。パジャマのボタンが幾つか掛け違っている、黄色のくまがいく段劣る笑顔でプリントされていた。
かくれんぼだよ、どこにいるでしょう!なんてばればれの問題をわざと見逃してやると、ここだよ!と声が上がった。
そんな日常があった時もあった。と早朝正座し、漆塗りの黒い観音開きを開く。笑顔と対面し、いつまでもここにいるね、かくれんぼだからいつまでもそこにいてはいけないんじゃないと聞いた。笑うばかりだ。
チーン、とおりんを鳴らした。今日も見つけにきたよ。
10/11/2023, 6:21:00 PM