何もいらない:
久々に体調を崩した。たまの不調こそ日常的にあれど、きちんと休養が必要になったのはいつぶりだろう。
体が弱ると心も弱って感じるもの。自分しかいない閑静なこの部屋が、今日はいやに落ち着かなくて意味もなくスマホを見てしまう。
寝ているしかできないくせ寝付けないなら、いっそ何か勉強でもしようか。長らく興味を放置している言語に触れるでも、新しく取得したい資格の試験対策でも、スキマ時間に少しずつ進めている読書に没頭するでも、この場所から動かずにできることなどごまんとある。
何かしているほうが、言い知れぬ寂寥感も薄れるというもの。不調時の学習がどれほど身になるかは知らないが、ここまでまとまった時間はなかなか得られない。
そうと決まれば善は急げ、何をするにも準備からだ。まずは体にエネルギーを入れねばと、弱った体にもやさしい程度のあたたかい食事とたっぷりの水分を摂り、薬を服用したところで急激に体が重くなりはたと気づく。いや休めよ。
体は正直なんて言葉が不意に脳を掠める。体を回復させるのに必要な栄養と水分が入ってきて、他に必要なのは休むことくらいなのだろう。とにもかくにも横になりたい衝動めいた感覚にしたがって布団にくるまると一気に体の力が抜ける。
アレだな、きっと。なんとかハイみたいなヤツだったんだ。
色んなものが一気に低下して、布団のぬくもりとやわらかさ以外がどんどん遠くに流れていく。心細さは正直まだ残っているが、さっきより随分とマシだ。
体調不良そのものはまったく良いものでないが、たしかに何もしない時間なんてずっとなかった。何もかも手放して自分にだけ寄り添うこと以外、今は何もいらないってことなんだろう。
ずっと気にかけてこなくてごめん、自分。これからはもう少しちゃんと目を向けるよ。そんな気持ちで重いまぶたを閉じた。回復したら、このことを忘れないうちに趣味でも再開してみようかな。
4/21/2026, 3:25:43 AM