書く—書いた記録

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「同じようで同じ、同じようで同じじゃない」
「なんの話?」

「ああ、同一性についての話だけど、とても難しい問題を孕んでいる」
「ふーん?」

「例えば、テセウスの船という概念があって、とりあえず毎日船の部品を入れ替えて1年後に全ての部品が置き換わった」
「ふんふん」

「一年前とは全ての部品が違うがこの船は同じ船だろうか?」
「同じ船だけど、部品はすべて違うみたいな感じだね」

「そう、人間はそれを同じ船と認識する。もし、それと同時に変えた部品でもう一つの船を組み立てたらそれは同じ船だろうか?」
「あー、同じ船がふたつになっちゃうのか!」

「そして人間の組織は毎日入れ替わっているが同じ人間とされている」
「それは部品を入れ替えても人間を作れないし」

「未来の仮想の話だが、物質転送のがありうるとして、自分を少しずつ別の場所に組み立てる。それと同時に元の自分を消すと自分が別の場所に移動したことになる」
「消すっていうのが怖いけど移動はできてそう」

「そのときに、元の自分を消さなかったら自分が二人いることにならないか?」
「わざとやれば自分がいっぱい増やせるね」

「まあ、倫理的問題が出るので面倒なことになるのは確かだが、これは自分が二人なのか、転送しようとした先のはコピーだが、毎回コピー元を消しているからコピーだが便宜上移動したことにしているのか」
「やっぱり区別はつかない気がするけど」

「そういった問題が発生するのは自己をどう見ているかの話になる」
「難しいねー」

「その話に関連すると昨日の自分は今日の自分とは違うがそれは同一のものとみなしている。それはどういった理由によるのか。という研究もある」
「うへぇ」


お題『昨日と違う私』

5/22/2025, 11:29:10 AM