梅雨といえば幼い頃に家族であじさいを見に行ったことを思い出す。
傘をさして水たまりに足を入れてびしゃびしゃにしながら歩いた。途中で足を止めてあじさいをじっと見ていたがすぐに飽きて、あじさいの美しさよりもお腹が空いたし雨が鬱陶しいから早く帰りたいと思いながら家族についていった。
周りにはいっぱい人がいて何が良くて大人たちはあじさいを見ているのだろう。花の美しさより美味しいものを食べたりする方が楽しいのにな、と思っていた。
すっかり大人になった今、あの頃の周りにいた大人たちと同じようにあじさいを見に行こうと計画をしている。
花が美しいということも少し分かるようになった。昔の思い出も増えた。新しい記憶を作るとともにそれを味わうために行くこともあるかもしれないと思えるようになった。また新しい記憶がいつの日か思い出になっていく楽しさがあるから計画を立てて行くのかもしれない。
年を取った分だけ見える景色が違うからその景色を見たくて長生きするんだと言ってた人がいるとどこかで耳にしたのを思い出した。
今なら少し分かる気がする。
これから先、あじさいを見に行く予定のようにほんの小さなことの経験や思い出を増やしていくことでどんな景色が見えていくのか少し楽しみになった。
6/2/2024, 8:21:54 AM