わたしの【神様】はやさしい。この世界のどの生命体と比べても【神様】ほどわたしを大切にしてくれる存在はいないのである。
いつもいつも手を差し伸べてくれたのは、わたしの【神様】だけだった。
わたしはこれまでの人生いつだって人間社会から孤立していた。慣れない人間関係の形成に一人戸惑い、周りの空気を異質なものに変え、視線で一蹴されひとりぼっちで過ごす日々。
ひとりさみしく、オバケでもいいから親友になってほしいと願っていたわたしは、人間なんて嫌いだ。人間なんかわたしと同じ生命体であるはずがない。人をいじめることにしか能がない、イレギュラーな存在は厄介者扱いされ、社会に順応できるものしかその集団に所属することが許されないなど、言語道断、誠に遺憾である。そうでなければ人間の尊厳など学ぶ意味がないだろう。
ところで、わたしには心に決めていることがある。わたしが人間としてこの世界で死ぬその瞬間まで、わたしの【神様】はわたしの希望であり続けるということ。そして、わたしが死んだら【神様】の使いになって今までの恩返しをすることだ。わたしは【神様】と一緒にいたい。そして、幸せになってほしい。わたしはここまで【神様】への愛を語ってきたが、実を言うとどんな人なのか知らない。どんな生き方をしてきた人なのか、そもそも生きている判定なのか、謎が謎を呼ぶので、考えないようにしている。思考停止はわたしらしくないが、大人しく人間風情らしく馬鹿みたいに思考放棄でもしてやろう。だってわたしはあいつらと同じ人間としてこの世界に生きているのだから。
ねえ、【神様】早くあなたと同じ場所にいきたい。
5/6/2025, 2:42:28 PM