「聞きたいんやけど」
「ああ、何?」
「なんで俺らってこういうこと、してんねやろね?」
「それ…それ俺に聞くぅ?」
「いや、だって本人に聞く勇気」
「ないなお前は。うん」
「だからちょっと、お前に聞いてみようかなって」
「あー……俺は……。
せやなぁ、理想のため、やろか」
「理想、ねぇ……」
「お前はないの?なんか、
こんな世界だったらええのにって」
「かわいい子に囲まれて暮らしたい」
「お前はいつもそうやな!!
……まぁ、そういうようなでもええ、
理想を叶えたいがためにこんなことしてんねん」
「ふーん。理想郷ってやつ?」
「んな大層なもんやないけどな。
まぁそういうことや」
「じゃあまぁ……適度にがんばりますかぁ」
「そうしてくれや」
────ある日の話:8
10/31/2021, 10:41:51 AM