よあけ。

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︰きらめき

かわいいお話だぁい好き!

物語は素敵。心にきらめきを沢山生み出してくれる。感性を働かせてくれる。大事な大事な栄養素。


どうやったら苦しめられるだろうとか、どうやったら傷を負ってくれるかとか、泣き喚いてほしいとか、この先一生過去の記憶に縛られて生きていけばいいなとか、トラウマになってれば最高だとか、自尊心へし折れたかなとか、お前が悪いって植え付けられたかなとか、好きになった人のせいで苦しむ羽目になってたらいいなとか、殴られてショックを受けていてほしいとか、心を引きずり出されてえぐられてればいいのにとか、繊細な人がヤベェ奴に引っかかって自己否定悪化してるのって楽しいよなとか、クソ真面目で自罰傾向にある人が息苦しくなってるの面白いなあとか、被害妄想拗らせて人間不信になってたらいいなとか、プライド高いのがバレたくなくて隠してるけどマウント取るのに必死な人生送ってたらいいなとか、自己肯定感が海の底くらいにあるのに人並みの幸せ掴もうと藻掻いて溺れかけてるのいいなとか、ああ、あれもこれもいいなぁ、いいなぁ、苦しんで生きてほしいなぁ。死んだらホルマリン漬けになって飾られていればいいのに。

ときめくんだ。こういうの煌めきって言うんだよ。ムカムカする心が柔らかくなって、尖って、ワクワクして「ああロマンチック!!」そんなきらめき。ロマンチックじゃないか、なあ、苦しんでる人ほど魅力的だ。テラリウムの中にその人を入れてずっと鑑賞していたい。幸せになれそうになったところで上からバラバラ石を降らせて足の一つでも潰してしまいたい。頑張れって応援するよ。血反吐はきながら前進するのも素晴らしいし、完全にやる気をなくして動かなくなってしまうのも素敵だし、ああもうどうしてこうも心がきらめく!


「かわいい話好きだよ」と言ったら「嘘だ」と言われた。本当にかわいい話が好きなのに。

「ヘンゼルとグレーテル」を何度も何度も読んだ。自分も森に入って不思議な場所に辿り着いてみたいとか、道に迷わないようにパンぐずじゃなくて小石を置いて目印を作ろうなんて考えて、お菓子の家で最初にどこを食べるかも妄想した。可愛いくまちゃんたちが出てくる絵本も好きだったし、動物たちが各々得意なことを活かしてみんなでお茶会を開く絵本も好きだった。何度も、何度も、そればかり読んだ。

猫型のパンにじっくり煮込まれたイチゴジャム、チーズの棚にハーブティ、どれもこれも魅力的で、柔らかくて、優しい春を感じた。甘くて美味しそうでお洒落で可愛い世界、とっても素敵だった。きらきらほかほかするお話、だぁいすき。可愛い話が好き。心にきらめきを与えてくれるから、感性をきらきらで埋めてくれるから。


きらめきとときめきをくれるお話が好き。甘くて優しいお話も、苦しみ藻掻き潰れるお話も、どっちも素敵。フィクションは何だって素敵なの。ノンフィクションになった途端にどちらも魅力がなくなって、つまらなくなってしまうの、残念ね。現実でも素敵だったらいいのにね。

リアルでもかわいいお話ほしいなあ。

9/4/2024, 12:08:13 PM