その花屋はいつもの通りにある。前を通る度に寄ってみようかと思うけど、寄ったことはない。
今日もいつも通り花屋の前を通る。ふと見ると今日はシャッターがおりている。どうしたのだろう。
何か急な不幸でもあったのだろうか。親子で営業していると思うのだが、2人ともいつも元気そうだった。しかしそういう人に限って突然病気が見つかったりする。こんなことならさっさと花を買いに行くんだった。「いつでも行ける」その驕りが「当たり前」を「2度と行けない場所」へ、「2度と会えない人へ」と変貌を遂げさせるのだ。後悔は先には立ってくれない、それが後悔というものだ。
コンビニでコーヒーを飲もう。気を落ち着かせるんだ。
「いらっしゃいませー」店員さんの声もどこか遠い。
「ホットコーヒー、ください」。
コーヒーを飲みながら、スマホを見る。今日は金曜日か。そうだ、あの花屋ホームページないのかなと、検索してみる。あった。何かお知らせがないか探してみるが、特に何も書いていない。
10時から営業していたようだ。定休日はあるのだろうかと目を滑らせる、そこには「定休日:金曜日」と記されていた。
2/9/2024, 1:13:41 PM