Namimamo

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7年前の今日に、娘を産んだ。

妊娠も出産も、人より順調にいかないタイプの私には、正直苦しくて痛くて辛いばっかりの思い出だ。
あの日のお天気だとか空の色だとかも、全然覚えていない。

手術室から病室へ戻りわけがわからないまま腕に抱いた娘は、ぐんにゃりとしてほかほかと温かくしかし弱々しく、落としてしまわないか、ちゃんと息をしているのか、ただただ不安だった。


気付けばあの日の温もりが家中を走り回り、文字を読んだり、ピアノを弾いたりしている。不思議なものだ。

喉元過ぎればなんとやら、にはならないし、生まれてきてくれてありがとう、みたいな感傷にひたるタイプでもないけれど。
今からハンバーグを作って、ケーキに飾り付けをするのだ。

春の日差しが、今日を寿いでいる。

3/1/2025, 3:37:42 AM