海なし県で育ったからか、海というものに特別感を覚える。
小学生の夏休み、途中で休憩の為に寄ったサービスエリア。そこから歩いていける砂浜や、岸壁に打ち寄せる波飛沫に目を輝かせた記憶がある。
中学を卒業したあたりで帰省をする回数がぐっと減り、海に行くこともほとんど無くなった。
あの頃みたいに無邪気に波打ち際を走る気にはもうなれないけれど、今年、なぜか妙に海に行きたい気になっている。
波音に耳を澄ませて、はしゃぐ子供や散歩をするカップルをぼんやり眺めてみたり、柔らかな砂浜に腰を下ろして本を読むのもいい。
毎年帰省していた頃から二十年以上経って、私は波の音に何を思うのだろう――?
思い立ったが吉日。
ちょっと本格的に計画を立ててみようか。
END
「波音に耳を澄ませて」
7/5/2025, 11:13:50 PM