蛇の舌

Open App

半袖

「あなたたち、その格好暑くない?」
太陽燦々。他の仲間たちがみな各々袖を折り、手や帽子で仰いで風を作る中、肌を晒さないふたりの仲間に、踊子が二人に問いかける。ーー彼女は半袖通り越して隠れている肌の方が少ない、これ以上脱ぐことが難しい繊細な服だーー。
「……別に」
踊子の問いに、盗賊は素っ気なく言った。上半身のシルエットを隠すポンチョは見るからに暑苦しい。
「ふぅん?」
踊子の視線はもう一人の、ぞろりとした黒のローブ、白いシャツとこれまた通気性などまるでなさそうな服の学者の方へ。
困ったように微笑むばかりのその頬に伝う汗ひとつぶ。

7/25/2025, 11:34:30 AM