江戸宮

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今日は先生にお勧めして貰ってから好きになった作家さんの新作の発売日でショッピングモールの一角にある本屋さんにやってきた。
この日のために私がどれだけ頑張ったことか。

「あ!…あったぁ、!」

わたしの涙ぐましい努力を祝福するように新刊は私の手元へとやってきた。
先生も買ったりしてるかな?なんて考えてまたひとつ先生との共通の話題が増えたようで嬉しくなる。
そうとなれば明日の学校までに読まなくては。
るんるんで、スキップまでしちゃいそうになりながらなんとか家へと帰った。
スマホを開くと先生からメールが入っていた。

”今日新刊の発売日なのしってた?
貴方も買ってたら明日話せるなぁって思ってLINEを。”

先生からのメッセージに心が踊る。
この本を買った時に先生もわたしを思い浮かべてくれたんだろうか。
こうやって先生の日常に私が入り込めてしまったようで妙にソワソワした。

「…もちろん、買いました、っと」

その返信に明日感想をはなそうね、なんて書いてあって急いでその本を捲りはじめた。
早く明日になればいいのになぁ、なんてぼんやり考えた。


2024.1.28『街へ』

1/28/2024, 12:11:16 PM