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読者様なりに
登場人物やその時々の背景、設定を
置き換えて読んでいただけるよう
あえて曖昧なストーリーとなっております
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―ねぇ、本当にそう思ってる?―
―育った環境のせいか?あぁ、いや、お前さんを否定してるわけじゃないんだがな―
―君は…また人を騙したのか…。実力でその地位にいるのは分かってるけど、お咎め少ないからってあまりやり過ぎるなよ―

物心ついた頃には
そんな言葉がまとわりついていた

どうしてなのか

そりゃ
自覚はあるさ

生きていくためには
抗えなかったわけだし


こんな世界じゃよくある話だろう

この種族はそういう種族とか
誰が上で誰が下とか

だけら
“ぼく“みたいな人間がいても
全く不思議じゃない


「さぁて、次のターゲットは……」


ピィンっと指に弾かれ
音を響かせた1枚のコインが
宙の空気を切った



[怖がり―うそで築いた今―]
――――――――――――――――――

私は子供の頃から
妖怪という存在がすごく好きだった

大昔はそういったモノたちが
人の目に見え、世から恐れられていた
本やフィクションでしか見ることのできないモノたちを
成人した今でも存在すると信じている

と言っても
誰かに話したところで
バカにさせるだけだから黙ってはいるけど……


仕事の終わった帰り道
今日はなんだか少しだけ空が明るい気がする
暗い空に遠くの方が白いモヤがあるような
ちょっと不気味

自分の足音しか聞こえない道で
ふと妄想というか、思った

本当に存在していて
私が突然あちら側の世界に迷い込んだら…

このモノ達が楽しい存在とか
離れたくない場所だとか
思えるのだろうかなんて

人らしく
怖がって逃げちゃうのかな

“帰れないのに“


[怖がり―人外―]



3/16/2024, 2:00:02 PM