作品No.167【2024/09/14 テーマ:命が燃え尽きるまで】
私のこの命が尽きるまで、あなたの傍にいようと決めたのに。
あなたはきっと、この未来を予見していたのだろう。そういう能力をもっていたこともあるが、そうでなくとも、あなたはこの未来をわかっていたのだろう。
だから、私を遠くへ追いやった。あなた自身の手の届かないところへと。その結果、私は、ここに立っている。
視界の遥か先、炎に包まれる城は、つい先程まであなたと私が共に過ごした場所なのに、今ではまるで地獄絵図だ。
「私は、また……」
どうして、私が生き残る? あなたを守らなければならないはずの私が、どうして守るべきものが失われるのを、なす術なく見ている?
そんなことは、わかりきっている。
「あなたに助けられた」
燃え尽きなかった命が一つ、目的をなくして揺れていた。
9/14/2024, 2:37:30 PM