夢の記憶屋

Open App

memory 𝒩𝑜.7


#宝物


兄side

俺は昔、事故で肩を脱臼したことがある

そのとき俺の妹も事故に巻き込まれた。
妹はそのとき10歳で妹は左の膝を怪我した。
だが後遺症が残り、
たまに左膝が外れたように転ぶようになった。
この事故は容疑者がいたが
妹は俺のせいで事故に巻き込まれたと言ってもいい。
俺がバイトのために朝早く家を出て行ったからだ
それに気づいた妹は俺を追いかけて探していたらしい。

今でも後遺症は消えていない。
いや、もう消えることは無い。

たまに仕事で会うことがあるけど
後遺症がステージの上でなってしまって
妹が転んだ時は
「…っ」
何もすることが出来なかった。
まだ妹は、俺との関係を世の中に知らせたくないらしい。
だからこそ、妹に近づくことすら出来ない。

(俺はお前の兄でいいのか?)
(俺にはお前を守る資格があるのだろうか…)
俺は昔、お前にこう言った。

「何があってもお前だけは守りたい」

「なぁ、サラン。
 俺はお前を守れてるのか……?」
そう口に出した言葉は妹たちのグループの
歌と音楽によってかき消された。

ふと妹を見ると目が合った。

すると妹は笑顔を俺にくれた。
あぁ。やっぱり変わることは無い。

お前は俺のたった1人の“宝物”だ
                    2021年11月21日

11/21/2021, 9:16:42 AM