蓼 つづみ

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近所の散歩道で、
背の低い木のまわりをゆるやかに巻くように、
朝顔の蔓がからまっている。

丸い葉と葉が重なり、
風にそよげば
木と花の境が曖昧になる。

柔らかな陽差しを浴びて
赤むらさき色の花々が一つずつ息をする頃になると、
娘はそれを「あさがおの木」と呼ぶ。

まるで同じ花が戻ってきたように見えるのは、
実際には自然の小さな奇跡で、
種が土に残って芽吹き、自生しているんだ。

今年のその花は思っていたよりも長く姿を見せ、
秋の終わりまで かすかに色を残した。

けれど、11月の風が通うころ、
気づけば蔓はほどけていて、夕映えの色に変わっていた。

また来年、娘とその木を呼びに。

題 ささやかな約束

11/14/2025, 10:12:42 AM