No name いろんなふたりやひとりの、概念や小噺

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大勢に小さな命と称される私の命を貴方は平等に扱った。
他者を値踏みする、いわば弱肉強食とも言える場所で、貴方は値踏みをせず、すべての民に平等に命の価値を10とつけていた。
私はそんな貴方が好きだった。そして貴方は私を甚く大切にしているのがわかった。貴方にお前が一番だ、と囁かれたとき、私は涙が溢れて堪らなかった。だってこの一番が飾る言葉は、今まで他者が私に口々に言った命の大小でも価値を表すものではないのだから。

2/24/2024, 7:00:18 PM