とらうとさーもん

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ある大学を受験したときに
「人魚姫」が題材になった評論が問題になっていた。
アンデルセンの描く人魚姫とはなんだったのかを語る評論だった。

アンデルセンの『人魚姫』は、バッドエンドとして知られているが、本当は「人魚姫」本人にとってはハッピーエンドだったのだと、評論の筆者は語っていた。

人魚は死ぬと泡になって消える。
それすなわち、輪廻転生がないということ。
天国にもいけないということ
つまり、「彼女には魂がない」ということ。

人魚姫は、王子をナイフで刺し殺すことができなかったため
その身を海に投げ、魔女の契約の通り泡になる。

しかし、
彼女はその後「風の精霊」となって人々に幸福をもたらす

これが意味することは、彼女が転生したということ。
彼女は、人を愛しに愛した末に、
愛した人ではなく
もっと高尚な「魂」そのものを獲得したのだ

これを読んだとき、なんて美しい物語なのかと思った
たった一つの童話なのに終わることなく親しまれる物語
そこから考察されることが、わかることが
こんなにも美しいとは思わなかった。

1/25/2025, 1:49:08 PM