夏はあまり得意ではない。汗は鬱陶しいし、ジリジリする日差しに肌が真っ赤にもなる。では、嫌いなのかと言われれば嫌いではない。夏は、非日常的な世界が広がっているように感じるから。空に湧き上がる入道雲の彼方ミンミンぜみが合唱する裏路地アオスジアゲハが舞う森の道迷わないと辿り着けない昔ながらの駄菓子屋仮面を着けた人が行き交う夜祭不思議な世界への扉がそこかしこにあり開かれるのを待っている。
6/28/2023, 11:13:22 AM