もんぷ

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真夏の記憶

 夏真っ只中に行われた大会も終わりを告げ、今日は新体制に向けたミーティングだけが行われて午前で解散となった。まだまだ頼りない自分だけど、部長という役職を貰ったからには気を引き締めていかなければいけないなんて姿勢を正した。
「で、新部長。その大荷物はどうした?」
「今日はちょっと早川の家泊まるんです。」
「おー、そうか…お前も部活だけじゃなくて勉強頑張ってくれると先生嬉しいぞ。」
「あー…はい。」
適当に笑って誤魔化していたら、ちょうど待ち人が現れたからそっちに逃げる。顧問は好きだが、勉強の方で関わるのはごめんだ。親にも見せられない成績のことはどうか忘れたい。
「ん、行こっか。」
「あい。」
高校二年生男子の平均身長を優に超えた新しい副部長に頷いて着いて行く。身長が高い方が有利なこの競技においても、普通の学校生活においても、平均にギリ届いていない自分からしたらそのスタイルは羨ましい限りだ。
ジリジリと照っている太陽に少しだけ近い彼は綺麗な汗を浮かべていた。そんな真夏の記憶。

8/13/2025, 3:10:21 AM