一尾(いっぽ)in 仮住まい

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→宇宙色の毛糸玉


毎年この時期になると、取り出す箱がある。中には、毛糸と棒針と編みかけのセーター。もう何年も編みかけのままだ。

毛糸は宇宙色で、ところどころに黄色や白、オレンジなどの差し色が入っていて、本当に星空のようだ。毛糸玉の状態でも可愛らしいし、編み上がった部品は、言わずもがな。
さっさと編めば良いのだけれど、何となくダラダラして進まないでいる。
毎年、箱から出して編み上がった身頃や袖を眺める。上手に編めたなとか、ここはちょっと目が詰まってんだよなとか、さらには、その当時の思い出も蘇ってくるから不思議だ。
もしかして、セーターを編み上げない理由は、毎年の思い出巡りを楽しみにしているからかもしれない――。
    
ハイ、格好つけました。
未完成の理由は、ただの怠け癖由来です。


テーマ; 時を繋ぐ糸

11/26/2025, 4:56:56 PM