「アンタ変わってるね。」
友人から言われた言葉。私の何処が変なのよ。
私には大好きな人が居る。子どものように無邪気で、夢を見据える人。少し我儘だけど、優しい。私はそんな彼が、この世で一番愛おしい。でも、そんな私を見て、友人は心配そうにする。
「アンタの彼氏〝ピーターパン症候群〟なんじゃない。」
そうかも。でも、それの何が悪いの?
「尽くしてばっかで、つまんなくないの?」
全然。むしろ毎日幸せよ。
「でも、一番変わってるのは、アンタだよ。」
私は普通よ。普通の恋をする、普通の女。
「ヤバすぎ。アンタみたいのを〝ウェンディー症候群〟って言うらしいよ。」
全くもって、不愉快な時間を過ごした。私がウェンディーだなんて。失礼よ。確かに、ピーターパンに尽くす彼女の姿は素敵だった。でも結局は、ピーターパンを置いていったじゃない。私はそんな女じゃない。彼のためだったら死んでもいいし、誰かを殺してもいい。彼が望むなら、悪党にだってなりたいわ。
彼の寝顔を見つめる。月明かりに照らされて、とても綺麗。本当に子供のよう。
「ねぇ、私をネバーランドに連れてって。」
静かな部屋に私の声が響く。彼となら、彼とだけなら、きっと私は幸せになれる。だから、お願い。私を置いていかないで。
「私だけ、大人になっていっちゃうね。」
眠ったままの彼に、今も依存している私。こんな私は、普通じゃないの?おかしいの?
「これじゃあまるで、私の方が子供みたいじゃない。」
10/13/2024, 2:50:32 PM