やわらかな夕方の光に包まれながら目を開ける。誰の声もない、波の音だけが繰り返される砂浜。繋いだ手から、隣の君が小さく震えているのが分かる。ごめんね。最後に君と同じ気持ちでいられなくて。でも、君を愛してる。何も後悔はない。むしろ晴れやかな気分だ。求めるものは、ただ自由だけ。ありがとう。最後まで愛してくれて。でも、ここでもうお別れ。強く手を握り、そして離す。引きつった呼吸音を背に、ただ前へと歩いた。祝福のような光の中、私は自由になった。
10/16/2024, 4:01:56 PM