題 日の出
題 日の出
何でここに来ちゃったんだろ、、、
1人ポツリと呟く。
初日の出、期待に満ちた色。
朝焼けの少しピンクの爽やかな空気。
去年はここ、彼氏と来たなぁ。
大好きだった人。
去年振られて、全然失恋の痛手から癒えてないのに⋯。
なんでかな。
朝起きたらこの場所が思い浮かんで。
無性に来たくなって。
あなたと笑いあったあの日に少しだけ戻りたくなって。
こうして来ても切ないだけだよ。
去年は私が寒がっててコート貸してくれたとか。
ずっと寒いから手を繋いで暖めあってたとか。
日の出見たいのに、あなたばかり見ちゃってて呆れられたとか。
そんな思い出が沸けばわくほど私の心の中は洪水になる。
全てがグチャグチャになって、思い出が溢れて、もうこれ以上見たくなくて⋯。
それでも記憶が次々と思い出させるんだ。
だって1番幸せな記憶として私の中に記録しているから。
キラキラした思い出を宝物のようにしまっていたから。
切なさに目がうるむ。
朝日の優しくも強い光が私の目を眩しく照らす。
周りに何人か初日の出を見に来ている人が居て、みんな大切な人と仲良く話している。
もう記憶になってしまった辛い思い出たち⋯。
未来にあなたはいないけど、去年あまり見ていなかった朝日はとってもとっても綺麗だ。
眩しくて優しくて、希望を見せてくれるようだ。
じっと見ていると、だんだん心の洪水が落ち着いてくる。
凪いでくるなんて無いんだろうな。
それでも⋯。
それでも、こうして希望のオレンジの光は、私の心全てを透過して浄化してくれるみたいだから。
今日初日の出を見に来ることが出来て心から良かったと思ったんだよ。
1/3/2025, 10:20:54 AM