somomo

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「踊りませんか?」
あなたが試すような目で手を突き出してきて、その手を躊躇うように取った。
取っていい物だったかも足を運び出した今では分からないが、どうせ2人を賑やかすものは空を明るく照らす月と、周りの植木たちと花だけなのだ。
どこの誰も、男と男が手を取って、男の私が見様見真似で覚えた女性パートを踊ろうが、そのミスをフォローしてくれようが、だれも、誰も見てない。
身体と共に心も踊った。
楽しいと同時に曲が終わる頃、離れなければいけない悲しみに涙した。
きっとこんな気の迷いなどこれっきりなのだから。

10/4/2024, 4:40:40 PM