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思ひつつ 寝ればや人の 見えつらむ……なんて。
いかにも雅なことを考えるよね、昔の人は。
きっと、本当にその人のことが好きだったんだろうな。
僕?そうだなあ、僕なら……
恋愛感情でなくてもいいなら、そんな風に思う人はいるよ。
今日は何をしていたんだろう、何か面白いことあったかな、って。
いつも寝る前にそうやって、あいつのことを思い浮かべてるよ。
あはは、そう考えると、正に思ひつつ……だね。
もしもあいつが夢に出てきたら、現実では出来ないぶん、たくさん遊ぶんだ。子どもの頃みたいに。
あ、でも。
夢と知りせば 覚めざらましを……みたいになっちゃうな。だって、あいつとめいっぱいはしゃいだり、思いっきり走り回ったり、なんてこと、夢でしかできないもの。
夢もいいけれど、やっぱり僕は、現実であいつを大切にしたいな。
だからさ、夢だと知らないままでいいんだ。
夢で逢えたら、その分、現実でもたくさん話したり、散歩したりするから。
——え、今日も寝る前に「思ひつつ」なのか、って?
うーん、そうだなあ。
あいつの話だとさ、あいつはあいつで、自分自身の夢の中ではかなり忙しいらしいんだ。だから、もし僕の「思ひつつ」があいつに伝わっちゃうと、困らせちゃうかなって。
だから、今日はお休み!はは、そんな顔しないでよ。わかったわかった、また明日ね。
……ああ、そろそろ帰らないと。じゃあ、また。

11/3/2021, 9:15:18 AM