お題「大好きな君に」
世界中の誰よりも俺は君のことが大好きだ
近所の近くに見晴らしのよい公園がある
その公園まで行くのには階段があるのだが、千段くらいはあるのではないだろうか
もちろん憶測で実際に数えたことはない
それだけ気軽には行きたくない公園なのだ
しかしその公園のフェンスから見える夜景がとても綺麗で、俺のお気に入りのスポットの1つだ。
「好きです」
俺は気持ちを言葉にして表した
時刻は深夜をまわっただろう。公園は静まり帰っており。数個の街灯が1人の男を照らしている。
そう、公園には俺1人だ
「うー緊張するー」
俺は明日好きな人に告白する
誰に言われたわけでも、何か特別な日でもない。
この気持ちを本人に伝えたい。
その思いが溢れすぎて、今日決心した。
「下見で来てみたけど、さすがにここに連れてくるのは露骨すぎるかな」
こんな公園に2人で来たら流石に告白する前に勘付かれそうだ。彼女とは幼馴染で仲は良いからついて来てはくれそうだけど。
それとももう勘付かれてる?それか1人じゃなく何人かで友達連れてくるか?いやいやそしたら告白しずらいよな?どーしよー
頭の中でぐるぐる考えが巡ってくる
「まあ計画なんて大抵思い通りにはいかないもんだよな」
そう自分を納得させ
明日はとりあえず彼女を公園に誘って見ることにした。
その日は帰っても、緊張で上手く寝付けなかった。
次の日の帰り俺は彼女に一緒に帰ろうと誘った
久しぶりに誘われて彼女は少し驚いた表情をした
「え、めずらしー!いいよ!」
彼女はいつも一緒に帰ってるであろう友達と教室で挨拶して俺と一緒に教室を出た
多分彼女は何か勘づいてる。
心臓の鼓動が急に高まった。
「今日はどーしたの?」
「いや、久々にお前と喋りたいと思ってさ。いやー学校じゃあんま喋る機会ないじゃん?」
「えー喋りかけてくれればいいじゃん」
お互い笑ったり、怒ったり、彼女との他愛ない会話がとても幸せだ
彼女と会話してる内に昨日した告白の練習を思い浮かべてた。気持ちが溢れそうだ
「あのさ、俺お前が好きだ」
自分でも今何言った?と疑問に思った。
考えるよりも先に言葉に出してしまったようだ
本当は今からあの公園行かね?って自然な感じで誘うつもりだった俺はかなり焦った。
「え、私を好きってこと?」
こいつ
聞こえてないフリでもしろよ
とか心の中で文句を言ってみたが何の意味もない
「いや、えっと」
言葉を濁してしまったが、もう腹を括った
「好きなんだよ。お前の事が世界一大好きなんだよ!」
緊張して声を張り上げてしまった。
恥ずかしい。大声の告白に加え自分の顔も熱くなってるのが分かる
目を合わせられない
彼女はそんな僕を見て笑ってた
「あはは、大声で叫ばなくても聞こえるのに」
俺は一瞬睨んだ
その顔を見た彼女は笑顔のまま喋り続けた。
「私も好きだよ。あっこれは幼馴染としてじゃなくて1人の男の子してね。ってなんか恥ずいね」
俺は嬉しさや驚きで呆気にとられ言葉が出なかった。
そんな俺を見て彼女は
「ねえ、もうちょっと一緒にいたいし、今からあの公園行かない?」
それ俺が言う台詞だったのにと思ったが
俺の返答は決まってる
「俺も一緒にいたい。行こう」
完
3/5/2023, 4:54:07 AM