ミキミヤ

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【熱い鼓動】

思いっきり自転車を漕ぐ。モヤモヤして叫び出したい衝動も、全部足に乗せて自転車を漕ぐ。

長くがむしゃらに自転車を走らせた先、大きな川の土手で自転車を止めて、青々と茂る土手の緑に大の字に身体を投げ出した。

自転車を漕ぎ続けていたから、息は上がっているし、身体は熱い。その上、真上から照りつける太陽まで熱い。
あーあ、このまま溶けてなくなれたらいいのにな、なんて考えるけれど、そううまくいくなら人生だってもっとイージーモードのはずなのだ。

耳元で、ドクドクと音が聞こえる。自分の血潮の走る音。私の生を熱く主張する鼓動の音。
溶けそうに暑い中、この音を聞いていると、何だかすごく『生きてる』って感じがする。私の身体は生きてる。生き続けようと鼓動を鳴らし続けてる。
そう考えたら、胸が熱くなった。心の中でモヤモヤしてたものなんてクシャクシャに丸めて、何処かへ捨ててしまおう。私は生きてる。きっと明日も明後日も。だから、後悔とか過去のことに囚われてる暇なんかないんだ。

熱い鼓動の音を聞く。私を励ます勇気の音。私を生かしている音だ。

7/31/2025, 8:50:21 AM