とある恋人たちの日常。

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 日々日差しも湿気も強い。
 夏だし暑いらか熱中症の患者さんが増えるのは仕方がない。
 救急隊の俺は、救助で出動し、戻ってきては休む間もなくまた出動を繰り返している。
 
 仕方がない暑さだとは思う。
 でも予防や準備は必要だ。
 
 俺の恋人は冷房の効く場所で仕事をるわけじゃい。だから、仕事に入る前にはアイススラリーを口にすることや、仕事中もこまめに水分を摂るように言っている。
 
 それでも彼女の勤めるお店の近くや、時々はお店のお客さんだったりと、出動要請があるんだ。
 
 急に暑くなったからね。
 
 そんな感じで、俺は日々疲弊していた。
 その事が彼女にバレているのも理解している。最近、凄く優しい……というか甘いからね。
 彼女が先に帰っていると夕飯の支度をしてくれていて、上げ膳据え膳をさせてもらっている。
 
 涼しくなったら彼女を旅行に連れていきたいなー。
 
 いつものデートじゃなくて、彼女が喜びそうなサプライズを考えたいな。
 
 と、心だけでも逃避行しながら、出動要請された住所に近づいた。
 
 さあ、頭を現実に切りかえよう。
 確かに大変だけれど、人を助ける。
 それが俺の仕事だ。
 
 
 
おわり
 
 
 
四二一、心だけ、逃避行

7/11/2025, 1:44:15 PM