Sakuya

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「えー、次のライブ配信は来週の木曜日かな。動画投稿は毎日するんで、見てくれると嬉しいです。それじゃあおやすみー」

ライブ配信終了のボタンを押し、一息つく。俺はいわゆるYouTuberというやつをやっている。ジャンルはゲーム実況だ。始めは軽いノリで投稿して純粋に趣味として楽しんでいた。初めて投稿したやつが再生され、コメントを残してくれたのをきっかけにもっと見てもらいたくなり続けていると、チャンネル登録者数がメキメキ伸び、そこそこ人気のあるYouTuberにまで登りつめた。今でもみんなが残してくれるコメントが心の支えになっている。が、

「最近数字が伸びない......」

気にしてなかった同接数は少しでも人気になってしまうと気になってくるものである。数字にこだわらず、自分と見てくれる人が楽しめる動画作りを心がけてはいるが、気になるものは気になる。視聴者はいつも同じものを求めているのだろうか。時には違うものを求めているのだろうか。180度違う方向で進めてみて、それが伸びなかったら?などもんもんと考えているうちにドツボにハマっていく感覚を感じた。あ、これダメなやつ、休憩しようと思っていると、ドアをノックすると音が聞こえた。

「おにいいるー?配信終わった?」
妹の亜里沙だ。友達の家に行くと言っていたが、帰ってきたようだ。
「おにいの為にクッキー焼いたから食べて!お茶持ってくるね」
そういうと、亜里沙は可愛いラッピングがされたクッキーを渡してくれ、部屋から出ていった。開けると少し焦げたクッキーが5つ。1つ食べてみると、苦味が強いが甘さもあり、体の緊張が緩み心もホッとした。
部屋に戻ってきた亜里沙にお茶を貰い、残りのクッキーも食べる。心と体が回復したのか、やる気が出てきたため、俺は動画編集に手をつけることにした。



お題:心の健康

8/13/2024, 9:11:39 PM