静かに絶望を受け入れていく
目を凝らしてよく見ても分からないほどの微笑みすら浮かべながら。
それは余裕なのか、それとも諦めなのか。
愛を語るにはまだ浅い月日。
相手の愛に応えてみせる。
分かっている。自分が誰かの特別で、一途に好意を向けられて。優越感に浸れる都合の良さ。
“自分が愛されている”ことにしがみついて、相手が離れてしまえば“自分の価値が減る”気がする。
ただの依存だ。
自分の感情は見えないふりをする。
自分に空いた穴を塞ぐために好意を利用する。
相手のことを傷つけることになると分かりながらも後戻りはできない。
「×△□」
口から出た愛の言葉はあまりに歪だ。
全て嘘なのに。年齢も、性別も、学校も、学歴も、出生も、家庭も、環境も、明かした“自分の事情”ですら。何もかも、嘘なのに。
そんな嘘で創られた俺を抱きしめて、『本当の貴方を、どんな貴方でも、愛してる』だなんて、言わないでよ。君は何も知らないんだから。
何が嘘で、何が本当か、分からなくなってくるんだ。
6/12/2025, 4:14:36 PM